術後の痛み緩和

先日のイベントでいらした方です。

乳がんで左胸を摘出して、未だに癒着による胸の痛みに毎晩目が覚める。
痛みと同時に湧き上がる今後の生活への不安を、静かな小さな声で震えながら話してくださいました。

手術をするということは、身体にメスを入れることで、いくら上手く縫合しても、体内で癒着する部分が出てくるので、ひきつれた違和感が取れないのは当たり前です。

それに加え、胸はリンパが集まるところなので、手術による滞りは、目には見えないレントゲンには映らない、本人にしか分からない不快感は計り知れないと思います。

首、背中の硬直は、ローラー鍼でゆっくり丁寧に取り除き、わきの下のツッパリは肋骨にそっと適度な圧をかけながらマッサージすることで、縮んでいた横隔膜が広がり、呼吸が楽になったとおっしゃっていました。

生きているだけで辛い

みんな誰でもそう思う時があります。
例え、1時間でも自分のつらい気持ちを吐き出して、痛い部分に温かい手でマッサージされると、痛みと同時に気持ちも楽になれるのです。

私は、鍼と灸でなければ、本当の痛みや治療はできないと信じている根っから鍼灸師です。
マッサージはその時だけの快楽で、治療とはいえない。と思っていました。
でも、その方の背中の緊張をマッサージでほぐしていくと、自律神経が整い、副交感神経が優位になりリラックスされていくのが、手をとおして感じられる、そんな貴重な1時間。

私自身とても印象に残る方との出会いに感謝します。